PB520c修理結果報告

平成13年4月3日
内蔵電池を代替電池と交換・導電性テープ使用結果報告

ま え お き

修理の概要 .....へ.........................................................................
トラックパッドの裏にある内蔵電池を取り換えるために必要最小限の
分解をしたため、函体の底とトラックパットのある表とディスプレイの
ある蓋と3部分が連結したまま作業を行った。そのため後でディスプレ
イのコ ネクターが繋がらないまま組み立ててしまうことになって、大変
困ったことになった。..................................................................

代替電池にカメラ用電池の利用...............................................
内蔵電池の取替は、あらかじめ調べておいたとおり代替電池を使うこ
とにした。代替電池は " CR2025 リチウム電池 3V カメラ用 "を西友吉
祥寺店で1個220円で2個買って用意した。.....................................

代替ハンダに導電性テープ”イーバリア”の利用 ...................
内蔵電池の接続についてもあらかじめ調べて(株)シバタで扱ってい
る”イーバリア”のシールド用導電性タイプを使うことにした。これは
導電性が立体的全方位にあって、ハンダ接続の代わりに使えると考えら
れた。(株)シバタのご厚意で試供品を少し分けていただいたのでテス
トしてみた。充分使える確信が付いたので、これを用意した。............

導電性テープ”イーバリア”について.....................................
タイプは布、銅箔、アルミ箔の3種類あってテストの結果銅箔テープ
を使うことにした。私が着目したのは、カタログによるテープの特徴の
うちの「貼るだけでテープの面方向、厚さ方向(垂直方向)共に、高い
導電性が得られます。テープの端に他のテープの端をオーバーラップさ
せると、 テープ同士の導通がとれます。というものであった。...........
詳細は(シバタ)の URL< http://www.shibata.co.jp/index.htm>でみ
ることが出来る。........................................................................



修理の経過--内蔵電池の取り換え過程

以下の写真の番号順に説明をします。..................................

42 〜44.....内蔵電池を取り出したところ.......................................
内蔵電池を収容しているボックスの蓋を開けて電池を取り出し 、電池
の接続状況を見た。電池2個が直列に繋がり6v の電圧を作り、更に電
池間の接続部からも 3V の電圧を取り出すリード線が出ていて合計3本
のリード線を確認した。写真を撮らずに電池のシールドペーパーを剥が
してしまったので、この時の写真はない。.......................................
ここにある写真は、電池に接続されている金属板をニッパーで強引に取
り外した後の3本のリード線と2個の電池の写真である。..................


45.....購入した1個220円のカメラ用電池の写真。.......................

46〜49.....内蔵電池のテープによる接続。......................................
47 で左に写っているのはテープ。右から銅箔、アルミ箔、布の順。....
銅箔テープを切りだして裏紙を外し電池同士に貼り付けたところの写真
が 49 です。48と49の右上は電池ボックスの蓋。.............................

50〜53.....電池とリード線にテープを貼り付け接続を復元 ................
テープをハンダ付けの替わりに貼り付けて、更にその上をマイナスドラ
イバーで押し、接触を良くするようにした。...................................
テープは通常の接着テープほどの接着力があり取り扱いやすかった。..

54〜57.....テープ接続のあと絶縁テープで形状保持............................
57 は電池ボックスに納めたところ。厚みが絶縁テープ分少し厚くなっ
ているほか、元の内蔵電池とほとんど同じ状態です。.......................

58〜60.....作業の終わりと使った道具など.....................................
58は電池ボックスの蓋を閉めたところ。 .......................................
59は写真を撮らずに剥がした内蔵電池の シールドペーパーを、元のよ
うに貼り戻したところの写真。....................................................
60は使ったトルクスレンチの写真、右側の柄の細い2本は修理の途中
で買い足したもの。.................................................................

修理結果 .................................................................................
スイッチを入れると、聞き慣れた起動音と共に一瞬画面が瞬いたように
思った。...................................................................................
PB520cは息吹を吹き返したように生き生きと感じられ、函体ごと動き
出して自己主張を始めた。うれしさがぐんと突き上げてきた。............




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ここまで来る間の出来事

代替電池について
代替電池を使って内蔵電池を取り換えることが出来るという記事を隅々まで読み
ました。記事を見付けることになったは、PB520c の時刻表示が狂ってしまった
のでリペアファクトリーに電話したときに始まります。.................................
”内蔵電池の電圧がなく なったが
交換するにはどうしたらよいだろうか”と相談
したとき、”取替の値段 などを考えると本体を中古品と交換した方がよいかも知
れない”といわれ、一時はそうしようかと考えました。..................................

しかし、思い出してみると 64K の CPU を取り換えて PPC603e にしてあるので、
”すこし惜しいな”と暫く考えた後、インターネットで「PB520c改造」を検索
してみました。..........................................................................................
そして、「代替電池を使を使ってみました」というページを発見したのでした。...
Macintosh達の部屋へようこそ」という banri さんのサイトでした。..................

メールを出して、代替電池の記事の内容を私なりに理解するとおりであるか確認
すると、返事が来てその内容からカメラ用電池で可能であると確信することが出
来ましたが、電池の接続にはハンダ付けをしているとのことなので、この点が気
になってハンダ付けをしなくて済む方法を探ろうと思いました。.....................
..........................

私も昔のラジオ少年で、かねてから部品の交換や取替を自分でやってみたいと思
い続けていたので、すぐ取りかかることにしました。わくわくして想像の世界に
に身を置いていました。代替電池のほうは直ぐに手に入りました。..................

導電性テープについて
電池の取替を考えてみるとハンダ付けが必要になるのだが多分難しいだろう、ハ
ンダ付けをしないで済ますためにはどうしたらいいかと思案に暮れていました。
インターネットで検索を何度も試みるうち、素晴らしいカタログを見つけること
が出来ました。。....................................................................................
どう読んでも接着剤の塗ってある面を通して並の導通があると読める、色々とみ
てきた中でこの導電性テープは、私の探していた「ハンダ付けの代用になる」と
いうテープに最も近いことを示したいました。.............................................

電話で問い合わせてみると、それでは試供品を使ってみて、”使った結果を聞か
せてください”とのことでした。まもなく試供品が郵送されてきました。.........
...
(株)シバタ」の シールド用電導性テープ(イーバリアET タイプ)というも
ので、導電性布テープ (ETN)、導電性銅箔テープ (ETC)、導電性アルミ箔テープ
(ETA)の3種類があって、3種類とも送ってもらいました。...........................
.........................

家で懐中電灯を使った簡単な導通テストをし銅箔テープを使うことにしました。
使った後で考えてみると、このテープにもう一種類加えて両面テープを作って貰
ったら金属同士の接着に素晴らしい効果を発揮するのではないかと思いました。

更に、接着剤だけのペースト糊や、コヨリのようにねじったもので末端が開ける
ものなど色々なバリエションが考えられると思いました。提案してみよう。......

トルクスレンチについて
私の持っていた トルクスレンチ では PB520c のスタンドの足の裏にある穴の中
のネジを回すことが出来ませんでした。どうしたらいいだろうか。トルクスレン
チに軸の細いものがあるのを想像することは、直ぐに出来ませんでした。..........
.................

内蔵電池のある場所を示す写真を掲上しているサイトの tomonari さんにメール
を出して問い合わせてみました。トルクスレンチに種類があること、売っている
ところの情報などが書かれた返事のメールが来ました。お礼のメールを出すと共
に、さっそく秋葉原の秋葉本館にトルクスレンチ(細い軸で青い柄の2本組)を
買いに行き、1,200円で手に入れることが出来ました。................................
このレンチを使ってPB520cの函体のネジは全て開けることが出来ました。.......

ディスプレイに画面が出ない
内蔵電池を代替電池に交換し終わって、早速パワーキーを押してみると、聞き慣
れた音と共に起動して、嬉しかった。しかし、ディスプレイが暗いままで輝度、
コントラスト調整ともに効かない。パワーキーの後ろ側の函体が少し盛り上がっ
ていて何となくおかしい。よく見ると、コネクターらしい白っぽい箱の収まりが
悪い。どうもコネクターが嵌っていないようでした。....................................
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そこで再度分解してみると、確かにそのコネクターは嵌ってなく、ディスプレイ
側は固定されているが本体側は可動で浮いていました。接続を色々とやってみま
したが旨く嵌りませんでした。仕方がないので、ちょうど嵌る位置の見当に浮い
ているコネクターを絶縁テープで固定して組み立ててみました。.....................

パワーキーを押すと起動はしましたが前と全く同じで画面が現れませんでした。
やはリ、あのコネクターがディスプレイのこネクターで、繋がっていないのだと
思案に暮れ、トルクスレンチのことを教えて貰った tomonari さんに メールを出
して聞いてみることにしました。とても親切な返事のメールが帰ってきました。

そこには、写真で説明するとあり URL が添えてありました。サイトに飛びページ
をみると大きな写真と共に丁寧な説明が施してありました。写真を見ながら直ぐ
に PB520c の分解を始めました。 tomonari さんに頂いたウエブページ.
よって分解を素早く行うことが出来ました。................................................


マイクカバー を外すと コネクターに接続されている フイルムケーブル が現れ、
フイルムケーブルのディスプレイ側を外して簡単に手でコネクターを接続させる
ことが出来ました。.................................................................................
マイクカバーの爪は少し折ってしまいましたが、組立終わってパワーキーを押す
と起動音と共にディスプレイも一瞬瞬き、間もなく明るくなりました。............
これで内蔵電池の交換は全ての過程を終了することとなりました。..................

お世話になった方々に心から感謝申し上げます。
本当に有り難うございました。

平成13年04月03日修理 報告書を作成
平成13年12月25日現在 順調に稼働中


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